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IoT・AI等の先進技術を活用した、新たな農業システムの技術検証(令和3年度研究開発)
IoT・AI等の先進技術を活用した、新たな農業システムの技術検証として、以下研究開発を行っています。
令和3年度に実施した研究開発の一部は、令和4年度の共同研究開発に引き継ぎ進めております。
令和3年度研究開発
東京型スマート農業の6つの研究開発がスタート
令和2年10月に、企業や大学など多様なセクターで構成する「東京型スマート農業研究開発プラットフォーム」を設立し、会員の皆様と意見交換を行ってきましたが、令和3年4月に6テーマの共同研究開発がスタートしましたので、お知らせいたします。
◆東京都産業労働局のプレスリリースへのリンク
「東京型スマート農業の6つの研究開発がスタート<外部リンク>」(令和3年4月22日発表)
1. 研究開発テーマの選定経緯
研究開発テーマの選定は、令和2年度実施の都内生産者のスマート農業に関するニーズ調査及び、東京型スマート農業研究開発プラットフォーム会員の皆様からの研究開発提案を踏まえ、研究開発プラットフォーム企画運営会議で協議のうえ決定しました。
東京都農林総合研究センター(以下、都農総研)では、今後も東京型スマート農業プロジェクトの推進のため、新たな研究開発テーマに取り組んでいきます。
2. 研究開発テーマと研究開発グループ
都農総研との共同研究開発グループ |
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株式会社LAplust、Veggie合同会社、東京大学 |
新型コロナの状況下、身近で農産物を購入できる直売所が好評であり、この機会を捉え消費者サービス向上と売上アップをめざす新たなビジネスモデルの構築が課題となっています。そこで消費者がスマートフォンからリアルタイムで庭先直売所の農産物を画像で確認できるWebアプリと店番装置(カメラ)を開発します。
都農総研との共同研究開発グループ |
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東芝エネルギーシステムズ株式会社 |
環境制御や作業を自動化するスマート農業は電力を多く消費するため、経営コストの削減や電力のない農地での実施が課題です。このため、省エネ対策やどこでも農業DXが可能となるよう、ビニールハウスの天井などに簡単に張り付けて使える「軽量フレキシブル太陽電池」の利用技術を開発します。
都農総研との共同研究開発グループ |
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株式会社Agrihub |
東京の農業は、直売向けの少量・多品目栽培が多く、数十品目の農産物を生産するケースもあり、作業や資材等が多岐に渡るため経営管理が極めて煩雑になる傾向にあります。そこで、連作障害にも配慮して作物ごとの栽培作業スケジュールをスマートフォンで管理し、計画的・効率的に農作業ができるようWebアプリを開発しました。
共同開発した機能は、すでに多くの生産者の皆様に利用されている農業支援アプリ「AGRIHUB(アグリハブ)」に統合して、無償でリリースを行いました。リリース後も利用者のご意見をお聴きしながらアップデートを行っていきます。
<今回開発した機能の特徴>
〇 品目毎の作業予定を事前に登録する事で、多品目栽培のスケジュール管理ができます。
〇 作業予定を編集して作業実績を登録することで、農業日誌の作成が簡単にできます。
〇 地図上で作付けエリアをポイントすると、栽培履歴が一目で確認でき連作障害を予防できます。
◆東京都産業労働局のプレスリリースへのリンク
「東京型農作業スケジュール管理アプリ<外部リンク>」(令和3年8月26日発表)
◆株式会社Agrihubへのリンク
https://www.agrihub-solution.com<外部リンク>
(今回の発表はリリースノートに記載がございます。)
都農総研との共同研究開発グループ |
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株式会社システムクラフト |
東京で一般的な小規模ハウスの多棟管理は換気や灌水などが重労働である一方、コスト面から高額なシステム導入が困難な場合があります。このため、生産者が手軽に環境制御を行えるよう、小型コンピュータを活用した、低コストなハウス側窓開閉装置や灌水装置等を開発します。
都農総研との共同研究開発グループ |
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ヤンマーアグリジャパン株式会社 |
東京ではブドウが消費者から人気で、収益性も高いため重要品目であるが、労働負荷軽減や、近年の温暖化による着色不良等の品質低下が課題となっています。そこで、ブドウの品質・収量の向上、作業の軽減・効率化に向け、根域制限栽培と自動環境制御技術を組み合わせた新たな生産システムを開発します。
都農総研との共同研究開発グループ |
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東京大学 |
スマート農業技術の導入には、農地面積や労働力、技術力、資本力等の経営環境に加え、技術導入の費用対効果を考慮した経営判断が必要になります。このため、各種スマート農業技術の経営評価や経営モデルを構築し、農家の多様な経営環境に応じた技術導入の指針として活用します。