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(1)親魚の雌雄選別
採卵が近づくと親魚の雌雄を選別し、別々の池に収容します。成熟した親魚は外見から容易に雌雄を判別することができます。
(2)熟度鑑別
雌親魚のお腹を1尾ずつ手で触り、その雌が卵の採れる状態にまで成熟しているかどうかを見分けます。
(3)採卵
お腹を切り開いて採卵する「切開法」、またはお腹を手で押して卵を搾り出す「搾出法」により採卵します。
(4)洗卵
サケ・マス類の体液と同濃度に調整した「等張液」と使用し、卵に混じった糞や尿、血液などの受精を阻害する物質を洗い流します。
(5)受精
等張液中の卵に精子をかけて混ぜ合わせ、受精を促します。精子の運動が確認できたら、直ちに卵に真水を加えて「受精」を完了させます。
(6)卵収容
受精が完了した卵は、その後真水を吸収します。吸水が終了した時点で、受精卵をふ化盆を用いてふ化槽へ収容します。
(7)発眼
受精から2週間ほど経過すると、受精卵の中に眼となる細胞が黒く見えるようになります。これを「発眼」と言い、この時期の卵を「発眼卵」と言います。
(8)検卵
発眼の確認から6日程度経過すると「検卵」作業を行います。「検卵」とは、ふ化槽に収容した卵の中から死卵や未受精卵を取り除く作業を言います。
(9)発眼卵の配付
発眼卵は外部からの衝撃に強い状態になるため、養殖業者への配付・河川への放流を行っています。
(10)ふ化
受精から1か月ほど経過すると「ふ化」が始まります。ふ化したばかりの魚は「仔魚」と言い、水底に留まってお腹に抱えた卵黄を吸収しながら成長していきます。
(11)稚魚の配付
春稚魚(2g程度)・秋稚魚(30~50g程度)として養殖業者や漁協への配付や河川への放流を行っています。
(12)稚魚飼育
成長とともに、体の模様がはっきりみえるようになっていきます。
(13)親魚候補の飼育
一部の稚魚を親魚候補として残し、満2年まで飼育して次回の採卵に備えています。