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細密画/野菜編(秋~春)

印刷ページ表示 ページID:0001027 更新日:2019年9月19日

 東京都農林総合研究センターには、明治から昭和中期かけて描かれた900点に及ぶ園芸作物の細密画が所蔵されています。それらは、カラー写真のない時代に、試験場専属の絵師により、細部まで写実的に描かれたものです。このコーナーでは、季節ごとに数点の細密画をご紹介していきますので、ご鑑賞していただければ幸いです(現在 画像準備中です)。

亀戸大根(かめいどだいこん)

 江戸時代から亀戸近辺で盛んに栽培された小ぶりの大根。関西の四十日大根に似ており、江戸時代に関西から持ち込まれたものと思われる。葉と根を一緒に浅漬けにすると最高の味が出る。都市化とともに生産量は激減したが、最近、江東区亀戸周辺の生産者の努力によって復活されつつある。

練馬大根(ねりまだいこん)

 練馬区春日にある「練馬大根碑」は先人の努力と反映の歴史を伝えている。尾張大根と練馬の地大根との交配から選抜・改良されたもので、享保年間(1716~1736年)には練馬大根の名が定着していた。日本の漬け物を代表する「たくあん」は、練馬大根とともに全国に広がった。

滝野川人参(たきのがわにんじん)

享保年間(1716~1736年)に八代将軍吉宗が全国から集めた野菜の中の1種で、その後北区滝野川付近で栽培されるようになり、この名が付いた。長さは1m、東洋種独特の赤紅色で、香りが強く、肉質がしまっている特徴を持つ。昭和20年頃までは盛んに栽培されたが、残念ながら今では、純系の種子を見出すことはできない。

滝野川牛蒡(たきのがわごぼう)

日本のゴボウを代表する滝野川ゴボウ。この品種は江戸時代から滝野川村(現在の北区滝野川)で改良、採取され、地名を取って滝野川ゴボウと名付けられた。国内で栽培されるゴボウの9割以上は、この品種の血を受け継ぐ。

三河島菜(みかわしまな)

ハクサイに近いツケナの一種であるが、ハクサイが中国から渡来する以前から盛んに栽培されていたといわれる。「荒川区史」によれば三河島菜という名前は徳川幕府初代の頃に名付けられたとしている。産地は現在の荒川区尾久周辺。三河島菜は12月以降に収穫され、漬物として販売されていた。昭和初期以降はハクサイに押され、衰退し、今では種子すら見出すことができない。

さといも

細密画の中に、多くのサトイモの品種が描かれている。東京には約300haのサトイモが作付けられており、その半数以上は‘土垂(どだれ)’と呼ばれる系統が作られている。

東京金時(とうきょうきんとき)

享保20年(1735年)、青木昆陽が薩摩から江戸に取り寄せて現在の小石川植物園で試作し、各地へ普及を図った。現在の東村山市の櫻井喜三が、金時から選抜したイモは、味・色・形と三拍子そろっていたので高く評価され、東京金時として有名になった。