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バイオテクノロジー分野 

印刷ページ表示 ページID:0001861 更新日:2019年9月19日

 研究内容

品種改良

 東京都の特産作物を中心に新品種の開発に取り組んでいます。現在は東京都の主要果実であるブルーベリー、伝統野菜であるウドの育種研究に取り組んでいます。また過去には、伊豆大島の基幹品目であるブバルディアや無花粉スギの育種にも取り組んでおり、野菜、果樹、花木と多岐にわたり研究を行っています。

ブルーベリーウドブバル

左からブルーベリー、ウド、ブバルディア

 

優良種苗の増殖技術の開発

  東京都特産の作物や品種について、組織培養系を用いたウイルスフリー苗の作出法や優良種苗の大量増殖法を研究しています。

ブルベリ培養培養作業

左からブルーベリーの培養苗、成長点の切り出し作業

研究課題

栄養繁殖系作物のウイルスフリー苗作出と大量増殖法の開発

 品種登録出願したブバルディア新系統について、ウイルスフリー化・増殖に適する培養方法を開発しています。ブバルディアの他にも、東京おひさまベリーなど東京都オリジナル品種の無病苗と培養系を維持しています。

ブバル培養イチゴ

左からブバルディアの培養苗、東京おひさまベリーの培養苗

 温暖地での省力・高品質栽培を可能にするブルーベリー品種の育成研究

 これまでに選抜してきた有望系統(単為結果性・房取り収穫適性)の実用性を評価し、品種登録に向けて特性評価をしています。また、房取り適性の高い雑種や耐暑性・耐乾性に優れる雑種の効率的な作出・評価方法を確立し、新たな育種素材を作出していす。

単為結果 ブルベリ

単為結果性、房どり収穫適性のあるブルーベリー有望系統

 ウド育種における弱休眠性系統の効率的な選抜方法の確立

・東京都で年内どり栽培が可能な休眠の浅いウド品種の開発を行っています。また交配系統や既存品種の休眠特性を調査し、効率的な選抜方法の確立のための基礎データを収集しています。

ウド比較

年内どりしたウド有望系統(左側2列)

研究成果

終了課題

都産無花粉スギの普及に向けた新交配家系の作出 [PDFファイル/414KB]

ブルーベリー種間雑種育成系統の特性評価と改良 [PDFファイル/557KB]

休眠性の弱いウド育成に向けた育種素材作出と休眠特性評価 [PDFファイル/220KB]

多摩地域に適した無花粉スギ系統群の作出 [PDFファイル/224KB]

夏に強く高品質なブルーベリーの育成 ~種間雑種作出法の開発と交配中間母本用および台木用系統の選抜~ [PDFファイル/363KB]

トルコギキョウの弱ロゼット性F1品種育成と中間母本の特性向上 [PDFファイル/225KB]

研究報告

東京都における雄性不稔スギの育種研究(2012~2015年交配) [PDFファイル/272KB]

東京都産軟化ウドの生産,流通および消費の実態と生産振興に関する研究 [PDFファイル/773KB]

ブルーベリーおよび日本在来野生種を含めた Vaccinium 属の遺伝的類縁関係の解析と種間雑種の育種的利用 [PDFファイル/3.47MB]

春ウド「都」と寒ウド「湖北系2」のF1系統の作出と休眠性評価 [PDFファイル/823KB]

東京都における雄性不稔スギの育種研究(2007~2010年交配) [PDFファイル/201KB]

トルコギキョウの弱ロゼット性中間母本品種「伊豆大島E3号,東京E1号」の育成 [PDFファイル/368KB]

論文

Utility of Parthenocarpic Interspecific Hybrids Between Vaccinium corymbosum and Vaccinium virgatum for Breeding Blueberry Cultivars Suitable for Cluster Harvestiing<外部リンク>

Miyashita, Koito, Ogiwara. 2019. The Horticulture Journal   88(2) 180-188   

 

Hybridization of highbush blueberry (Vaccinium corymbosum) in section Cyanococcus with two Vaccinium section Bracteata species native to subtropical Asia<外部リンク>

Miyashita, Inoue, Yamada, Ogiwara. 2018. Scientia Horticulturae   241 225-230   

 

ブルーベリーおよび日本在来野生種を含めたVaccinium属の遺伝的類縁関係の解析と種間雑種の育種的利用

宮下,2015年,東京農工大学             

 

Effect of cross direction and cultivars on crossability of interspecific hybridization between Vaccinium corymbosum and Vaccinium virgatum<外部リンク>

Miyashita, Mii, Thanda Aung, Ogiwara. 2012. Scientia Horticulturae   142 1-6   

 

In vitro induction of the amphiploid in interspecific hybrid of blueberry(Vaccinium corymbosum Vaccinium ashei) with colchicine treatment<外部リンク>

Miyashita, Ishikawa, Mii. 2009.Scientia Horticulturae   122(3) 375-379   

 

学会発表

ブルーベリーの種間雑種集団の作出および単為結果性の簡易評価

宮下千枝子 園芸学会  2019年3月 

 

春ウドと寒ウドのF1系統の休眠覚醒に及ぼす低温処理の影響

小坂井宏輔 園芸学会 2018年9月

 

ブバルディアの育種素材20種類の稔性評価

宮下千枝子 園芸学会  2018年3月 

 

ブルーベリー種間雑種の単為結果性系統を用いた房取り収穫の可能性

宮下千枝子 園芸学会  2017年3月 

 

鉢植えのスギ若齢個体集団における立木の動的ヤング率の評価

宮下千枝子 森林遺伝育種学会  2016年11月 

 

ブバルディア原種および栽培品種の染色体数とフローサイトメトリーによる倍数性の調査

大槻優華  園芸学会 2016年9月

 

ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの種間雑種にみられる単為結果性

大槻優華  園芸学会 2016年3月

 

ブルーベリーを含めたVaccinium属植物間の交雑の成否に及ぼす交配方法の影響

宮下千枝子 園芸学会  2016年3月 

 

ブルーベリーおよび日本在来野生種を含めたスノキ属植物8種類間の交雑親和性の評価

宮下千枝子 園芸学会  2015年3月 

 

春ウド‘都’と寒ウド‘湖北系2’のF1系統の休眠性およびGA反応性の評価

大槻優華  園芸学会  2015年3月

 

ブルーベリーのssrマーカーを用いたスノキ属22種の分類

宮下千枝子 園芸学会  2014年3月 

 

ウドの芽の休眠時期と内生aba濃度の品種間差

鵜沢玲子  園芸学会 2012年3月

 

ウドの芽の休眠と内生アブシジン酸の変化

鵜沢玲子  園芸学会 2010年3月

Q & A

  Q:質問 A:回答
1 バイオテクノロジーって何?  生物が持っている働きを人間生活に役立つように利用する技術のことです。農業分野では、組織培養技術、細胞融合技術、遺伝組換え技術などが利用されています。
2 植物の組織培養って何?  植物体から葉や生長点などの組織を取り出して無菌的に培養して、完全な植物体に再生させる技術です。これによって、無病苗の作出、優良種苗の増殖などが行えます。
3 無病苗(ウイルスフリー苗)って何?  ウイルスに罹病している植物体でも、生長点だけはウイルスに侵されていない性質があります。この生長点部分を摘出、培養して得た、健全な植物のことです。
4 どんな植物で無病苗が作られているの?  挿し木や株分けなどの方法により、もっぱら栄養繁殖で増殖する植物で実用化が進んでいます。東京都では、イチゴ、ワケネギ、ブドウなどで実用にとりくんでいます。
5 無病苗にするとどんな効果があるの?  ウイルスに罹病していないので生育が良好になり、生産性が向上します。また、花や実の品質が良くなります。
6 無病苗の栽培で気をつけることはあるの?  栽培中の再感染予防が重要です。また、生育旺盛なので従来よりも窒素を控えめに栽培します。
7 ウイルスの感染を防ぐ方法は?  ウイルスを仲介する昆虫類を防除すること、罹病株を発見したらすぐに抜き取ること、などに気をつけて管理してください。できれば親株を2~3年に1回更新します。
8 植物の組織培養によるクローン増殖って何?  植物は基本的に、細胞や組織を培養することにより、もとの植物と まったく同じ性質を持つクローン植物を再生させることができます。この現象を効率的に行えば、大量のクローン植物を得ることができます。
9 培養による増殖はどのように利用されるの?  増殖率の低い植物や、種子繁殖ではばらつきがでてしまうような植物の優良個体を増殖したいときに利用します。
10 具体的には、どんなものを増殖しているの?  東京都では、伊豆諸島特産切り葉のレザーファン優良系統の増殖のほか、小笠原諸島の保護植物であるムニンツツジの増殖などを行っています。
11 培養すると本当に全く同じ植物しかできないの?  培養中に使用した植物ホルモンなどの影響で、培養植物の遺伝子に変化が起き、もとの植物とは部分的に性質・形態が異なる植物になることがあります。これを培養変異といいます。
12 培養変異にはどんなものがあるの?  花や葉の色・形が変化したり、植物の芽の増減が起こったり、わい化するなどの形態変化のほか、病気に強くなったり、開花期が変化することがあります。
13 遺伝子組み換えってどんな技術?  遺伝子の一部を切り取って、別の生物の遺伝子に組み込む技術です。細菌や動植物など異なる生き物同士であっても、遺伝子の構造や仕組みは皆共通していることから、このような技術が可能となります。様々な作物に種の壁を超えて有用な遺伝子を導入できることから、従来の育種技術では不可能だった新しいタイプの品種を開発できる方法として期待されています。
14 遺伝子組み換えでどんなことができるの?  除草剤を分解する遺伝子や殺虫成分をつくる遺伝子を組み込むことによって、除草剤に耐えるイネや害虫の被害を受けないトウモロコシなどが実用化されています。最近では、食べるだけで花粉症やウイルス病を予防できるイネやバナナなどが研究されています。
15 遺伝子組み換え作物(食品)で問題になっているのはどんなこと?  遺伝子組み換え作物は、従来にない新しい技術を使って作り出された生物であるため、人の健康や環境に対して何か悪影響があるのではないかということが心配されています。そこで、組み換え作物の実用化にさいしては、国の定める厳しい審査によって人や環境への安全性について確認を受けることが義務づけられています。ですから、市場に流通している組み替え作物(食品)は全て、現在の科学レベルの範囲では安全であることが確認されています。

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